― 脱炭素型コンクリートの社会実装に向け、新たな一歩 ―
2025年9月24日、東京會舘LEVEL XXIにおいて、e-CON協会(会長:増渕智之)は「第1回総会・特別講演会・懇親会」を開催いたしました。
当日は、会員企業28社、関係団体、行政・研究機関など約90名が出席し、協会設立後初となる総会として様々な事業計画が報告されました。
■ e-CON協会設立の背景と目的
e-CON協会は、脱炭素社会の実現に向けて、インフラ資源の長寿命化に向けた低炭素高機能コンクリート「e-CON」の普及促進と技術基準整備を目的として2025年に発足しました。製品の供給安定化、施工・設計面での標準化、公共インフラへの導入支援など、業界横断的な連携を通じて持続可能な社会基盤づくりを目指しています。
■ 総会の概要
総会では、2025年度事業計画(案)および収支予算(案)が審議・承認され、以下の重点施策が確認され、協会活動の方向性が共有されました。
【総務委員会】
ア.協会運営の着実な成長を図る
イ.新規会員社の勧誘活動(第2期二種会員および三種会員を対象)
ウ.広報活動の充実
エ.関係諸官庁へのPR(下水道・道路・港湾・河川等)
【技術委員会】
ア.e-CON技術の普及・啓発(セミナー、技術展示会、広報活動の実施)
イ.技術ガイドライン・標準仕様の策定
ウ.人材育成の推進及び支援(講習会の開催、教材の開発)
エ.実証・調査研究の推進(CO2削減効果の検証等)
【流通委員会】
ア.e-CONパウダーの供給安定化に関する検討
イ.地産地消的な原料調達に向けた情報収集
ウ.下水道協会Ⅱ類認定取得後のCO2トレーサビリティルールの設定
エ.実証・調査研究の推進(CO2削減効果の検証等)
【その他】
ア.e-CONパウダーの扱いの件
イ.下水道協会Ⅱ類認定(下水道用エコ資器材)の件
ウ.建設技術審査証明(追加申請)の件
■ 特別講演会
総会後には、東京都立大学名誉教授 宇治 公隆氏を講師に迎え、「コンクリートの品質向上を目的とした締固め評価と蒸気養生方法の研究」と題する特別講演が行われました。講演では、施工の良否が品質を左右する、蒸気養生による細孔構造の変化+カーボンニュートラルへの課題について具体的な提言が示されました。
■ 今後の展開
e-CON協会は、今回の総会を契機に、『共同研究の推進』『全国供給体制ネットを活用した自治体やインフラ発注機関との連携強化』『e-CONブランドの信頼性向上と市場拡大』を重点に取り組みます。
今後も会員各社が一丸となって、コンクリート業界の脱炭素化と持続可能な社会基盤の形成に貢献してまいります。