私たちは今、インフラ老朽化と脱炭素化という二つの大きな課題に直面しています。エネルギーや資源の制約が強まるなかで、単に「作る」ことよりも、「長くもたせる」ことが社会全体の責任となりつつあります。
e-CONは、そうした時代の要請に応えるために生まれました。
産業副産物を有効活用し、CO₂排出量を抑制するとともに、耐久性・耐硫酸性・耐塩害性といった課題も克服。
100年先を見据えた社会インフラの実現を目指して開発された製品です。
このたび設立したe-CON協会は、単なる製品の普及にとどまらず、社会資本のあるべき姿そのものを問い直す挑戦でもあります。業界を超えた会員とともに、製造・流通・施工・維持管理まで含め新たな社会インフラのモデルを共創してまいります。
100年後の世代に、「あのとき、確かに転換点があった」と言ってもらえるように。
皆さまと共に、持続可能な未来へ一歩を踏み出すことを、心より願っております。
地球温暖化は、現代社会が直面する最も喫緊の課題の一つであり、CO₂排出量削減は国際社会共通の目標となっています。建設業界においても、セメント製造に由来するCO₂排出量が全体の約5%を占めるとされ、その削減は喫緊の課題です。
このような背景の中、日本ヒューム株式会社が開発した低炭素コンクリート「e-CON」は、従来のコンクリートに比べ大幅なCO₂排出量削減を実現する革新的な製品として、その普及を強く推進して参りたいと考えます。
「e-CON」は、高炉スラグやフライアッシュといった産業副産物を高効率で利用することで、セメントゼロを実現し、製造段階でのCO₂排出量を大幅に抑制します。その優れた環境性能に加え、従来のコンクリートと同等以上の強度、耐久性、施工性を有しており、持続可能な社会の実現に貢献するキーマテリアルであると確信しております。
「e-CON」の社会実装を加速し、その普及を促進するためには、単に製品を供給するだけでなく、以下の目的を達成するための強固な枠組みが必要不可欠であると考え、ここに製品協会の設立を発起いたします。
| 技術的信頼性の確保と向上: | 「e-CON」が持続的に高品質かつ高性能を維持し、さまざまな建設プロジェクトにおいて安心して採用されるよう、技術基準の策定、品質管理体制の確立、性能評価方法の確立を行います。 これにより、製品に対する社会的な信頼を揺るぎないものとします。 |
|---|---|
| 普及促進と市場拡大: | 「e-CON」の優れた環境性能と技術的優位性を広く社会に啓発し、設計者、施工者、発注者など、関連するあらゆるステークホルダーへの理解を深めます。 また、様々な技術認定・評価制度における製品認定をの取得を通じて、より円滑な導入を促進し、市場の拡大を図ります。 |
| 情報共有と技術交流: | 「e-CON」に関する最新の技術情報、施工事例、研究開発動向などを会員間で共有し、活発な技術交流を促進します。これにより、製品のさらなる進化と応用範囲の拡大を目指します。 |
| 標準化と国際競争力の強化: | 「e-CON」の技術的知見を蓄積し、国内外の標準化活動に積極的に参画することで、グローバルな視点での競争力強化に貢献します。 |
本協会は、上記の目的を達成するため、以下の活動を実施いたします。
低炭素コンクリート「e-CON」は、日本の建設業界がCO₂排出量削減に貢献し、持続可能な社会を構築していく上で、極めて重要な役割を担う製品です。本協会の設立を通じて、「e-CON」の技術的信頼性を確立し、その健全な普及を促進することで、社会全体の環境負荷低減に寄与してまいる所存です。つきましては、本趣旨にご賛同いただき、本協会の設立にご参加賜りますよう、心よりお願い申し上げます。